エドワード・バッチは、ウェールズ地方の小さな村に落ち着き、新しい薬を探究する仕事を開始しました。彼は自分の探し求める薬効成分がどの植物に含まれているのかをまったく知りませんでした。わかっていたのは有益であり質の高いものであるということくらいです。毒性植物は人体の治癒に本当の意味で作用をしないと確信していました。

正しい薬は、服用するときに不快感がなく、また深刻な反応を起こすこともなく、その効果は優しく、確実で、心と体の両方を癒す結果になるはずだと感じました。また、そのような薬を製造する新しい方法、これまで使われてきたものより単純な方法を見つけなければならないとも考えました。

その年の春は遅くやってきました。夏の花の最初のものは、前の季節の花と一緒に咲いていましたので、森や草地、生垣や川岸は花一色に染まりました。

バッチは、植物の育っている場所、選んでいる土壌、花弁の色、形、枚数、そして塊茎(かいけい)で広がっていくのか根や種子で広がっていくのかなどに注意しながら、一日中たくさんの植物を調べて過ごしました。一つの植物の近くに幾時間も座ったり、新鮮な標本を求めて沼地や沢地を伝ったり、山頂に登ったり、小径や原野を何キロも歩いて過ごし、一つ一つの花や草、木々の習性や特徴をできる限り学びとりました。

彼は、正しい薬効成分をもつ植物は野山に自生する野の花にあると確信してはいたものの、まめだおし、サボテン、シーウィードといった原始的な種類、またヒヨス、ナイトシェード(毒なす)、トリカブトといった有毒植物、また人間が食用にしている多くの植物も除外すべきことを知りました。

「真の治癒力をもつ植物」は、それとは違う目(もく)の中にあり、数も少なかったのです。人体の苦しみを和らげるような薬効成分をもつ植物はたくさんあり、薬にもすでに使われています。しかし、「真の治癒力をもつ植物」には、これに優る大きな力が秘められていました。

病を一時的に和らげるというものではなく、治すこと、心身に健康を取り戻すことがその働きでした。

草原


Bach Flower Counsel
バッチフラワーカウンセル
英国バッチセンター