冬も終わりに近づき、1931年の春が間近に迫ってくると、エドワード・バッチは落ち着かなくなってきました。あと2〜3残っているお花を発見して、12種類のフラワーレメディを完成させるために、しばらく診療から離れなければならないと感じたのでした。そして3月も終わろうとするある日、バッチは急にウェールズに戻る決意をし、その朝早くにクローマーを発ちました。そしてウェールズでは、途中で出会う羊飼いに話しかけたり、今後しなければならない仕事や発見しなければならない薬草のことを考えながら、山々を放浪して過ごしました。

田舎の風景


ウェールズの山々を放浪したあと、ロンドンに戻り、その後、サセックス州に旅立ちました。そしてサセックス州のある場所で、川の中に生い茂るウォーター・バイオレットの花を見つけました。この植物は豊富に自生し、その広がったシダ状の葉がか細い茎を持ち上げて、淡い藤色の花を水面に浮き上がらせていました。彼はこの花が自分の探し求めている薬となることを花であることが直感的にわかりました。

彼はさっそく、太陽法を用いて花から薬効成分を抽出し、この薬が、普段から、あるいは何かがあって苦しいときも一人で過ごし、静かな中で困難に耐えることを好む、超然たるタイプの人への薬になることを証明しました。

ウォーターバイオレットの花
Water Violet


サセックス州からテームズ峡谷に旅してきた彼は、ここでバークシャー州ウォリンフォードから3、4キロほど離れた川辺の村に数週間滞在し、平底船に乗って水生植物を調査したり、チルタン・ヒルズや田舎道を散策したりして、暑い夏の日々を過ごしました。

彼はその並外れた内なる知識から、自分の探し求めている残る薬の一つが秋に咲くゲンチアナ(りんどう)の花に含まれていること、またそれが、すぐに落胆する人の疑い深い心理に治療効果を持つことも知りました。まだ7月で、ゲンチアナの花が咲くには早すぎましたが、オックスフォードシャー州、エウィレム村近くの丘の上で葉を広げたこの植物を見つけた彼は、これまで沢山の薬を製造してきたクローマーでそれを見つけようと戻りましたが、何キロ歩いても見つかりませんでした。ようやく9月末になって、ケント州ピルグリム街道に近い丘陵で開花したこの草を見つけ、ただちに花から薬を製造しました。

ゲンチアナの花
Gentian


このときまでに、バッチは、12種類の薬のうち11種類までを発見していましたが、夏も終わりに近づいた今、年内に12番目の薬を発見することはないと判断しました。彼は冬に備えてクローマーに戻り、患者の治療に多忙な日々を送り、フラワーレメディからますます成果を上げることになります。


Bach Flower Counsel
バッチフラワーカウンセル
英国バッチセンター