人間の12の主立った集団またはタイプ(性格型)に対応するレメディを発見し、その効き目を証明した今、エドワード・バッチは次のレメディについて考え始めていました。そして、自分の時間の大部分を費やしてしまう診療からしばし離れて、次のレメディを発見するための研究に専念できる場所に移る決意をします。

1933年1月にクローマーの町を去り、まずイーストボーンに行き、次にテームズ河畔のマーロウに落ちつき、ここに数週間滞在しました。バッチはこの場所で初めて、今後のレメディに対応する心のタイプに研究を集中することができたのです。


西洋の室内


バッチは、次にくるレメディが、最初のグル―プよりも、もっと頑固な心理状態に使われることはわかっていました。

それは、これ以上何をしてもだめだと思い込んでいる人、無力な状態に耐えなければならないと思うあまりすっかり希望を失っいる人に使われるものです。こうした心理状態を助けるレメディは、強力なものでなければなりません。それは群落を成し、その色と美しさ、壮観な光景で目を引くような草や灌木、樹木の花の中にそれは発見されるであろうと感じていました。こうした木々や草花の中に含まれている集合的な力は、型にはまった心理状態やあきらめの気持ちから救い出すのに必要な、刺激のあるレメディを提供してくれるはずです。バッチはこのレメディを、至るところに群落を作っているゴース(はりえにしだ)の花の中に発見しました。この黄金色の花は、春と初夏に強烈な香りを空中に漂わせます。バッチは太陽法を使って薬効成分の抽出を行いました。群落の周辺部と内側のあちらこちらから花を採取し、こうして集団のもつ力を集めました。

バッチは、ゴースの花が、長い闘病生活ですっかり回復の希望を失い、良くなろうという努力をしなくなった人々への薬になることを発見しました。そしてこの薬は復活祭の直前に製造しました。

ゴースの花
Gorse


バッチは、次のレメディとして、オーク(西洋かし)の雌花を発見しました。この花は、どんなことがあっても希望を失わず最後まで何とか乗り越えようと必死に努力するタイプの人を助けるレメディとなりました。オーク・タイプの人は、失望しやすく努力をすぐにやめてしまうゴース・タイプの人と正反対です。バッチはオークのお花のレメディをクローマー付近に育つオークの木(樫の木)から採取することを決め、同年4月にクローマーに戻り、翌年の2月まで滞在しました。オークのレメディは、5月にクローマー付近のフェルブリッグという町にある古代ローマ人の要塞跡地に茂る林で太陽法によって採取されました。

オーク
Oak


バッチは、次のレメディとして、ヘザー(夏咲きエリカ)の花を発見しました。これは、一人でいるのを嫌い、誰でもいいので自分のそばに人がいて自分の話を聞いてもらうことに幸せを感じる人に対するレメディとなりました。ヘザー・タイプの人は話し好きで、いま自分が抱えていることや家族のことなどを話すことを好みます。バッチはある日、このような性格をもつ女性と出会い、その女性にどのような植物が好きかを尋ねました。するとその女性は「ヘザーの花が咲いているのを見ると息が止まりそうになるほど我を忘れて見つめてしまいます」といいました。バッチはヘザーの薬効を試験して、この植物がそのタイプの人を手助けするものであることを確かめました。そしてウェールズに行き、ミムラスとインパチエンスを見つけた場所の付近で太陽法を使ってヘザーのお花のエッセンスを抽出しました

ヘザー
Heather


バッチは、次のレメディとして、ロックウォーター(石清水)を発見しました。これは、昔は霊泉として有名だったけれど今は忘れられている泉の水で、バッチフラワーレメディの中では唯一、花が原料ではないものです。ロックウォーターは、厳格な理念によって抑圧されて、本当に自分の健康と幸せにとって必要なものさえも否定してしまう人たちに役立つことがわかりました。

ロックウォーター
Rock Water


バッチは、ヘザーとロックウォーターの二種のレメディを持ってクローマーに戻り、それまで治療からほとんど回復が得られなかった患者たちに使って素晴らしい成果を収めました。


フラワーレメディが誰でも利用できるようにするため、バッチは、ロンドンの大手の薬種商に原液一式を提供し、代金を求めない代わりに、できるだけ安く、一般にこの薬を販布してくれるよう頼みました。


Bach Flower Counsel
バッチフラワーカウンセル
英国バッチセンター