1935年、49歳になったエドワード・バッチは、これまで見つけた19種類のフラワーレメディとは異なる方法で、次の19種類のフラワーレメディを生み出すことになります。

バッチはこれまで、それぞれのフラワーレメディを発見する数日前から、そのレメディが必要となる心理状態に苛まれました。それは、これほどの苦しみに苛まれていても平常心を保てるものなのかと周囲の人々が驚くほど強烈なものでした。彼は心理的な苦悩を体験しただけではなく、その苦悩の度合いが極端になったときには体にも症状があらわれました。こうした体験は、普通の人のレベルを超えた勇気と信仰を必要とするものでした。また、これまで発見したフラワーレメディによってそうした心身の苦痛が癒されることはわかっているものの、さらに19種類のフラワーレメディを発見しなければならないこと、そしてそのひとつひとつのレメディを発見するプロセスでふたたび自分の心と体で苦しみを体験しなければならないことも彼は知っていました。

1935年3月、バッチは、残り19種類の最初のレメディであるチェリープラム(ベニハナスモモ)を発見しました。彼はこのお花を見つける数日前から前頭洞(ぜんとうどう)にひどい炎症を起こし、顎骨(がくこつ)一帯の激痛と激しい頭痛に苦しんでいました。それは平常心を保っていられないほど絶望感を伴う激しい痛みでした。バッチは自分がこの心身の状態に効くフラワーレメディを発見する直前であることを知り、朝早く外に出てお花を探すために野原や田舎道をさまよいました。そして白い花で覆われたチェリープラムの生垣を見つけました。彼は早速、花のついた枝を何本か折り、家に持って帰りました。この木質の植物は非常に硬いことと、初春の太陽はまだ光の力が弱かったため、バッチはこれらの枝を水に入れ、火にかけて煮ることにしました。煮てから一時間ほど成分を抽出させ、水の温度が下がったあとに濾過し、出来上がった薬液を2〜3滴服用しました。すると心理的な苦しみが取れ、体の痛みもなくなりました。そして翌朝には完全に回復しました。これは、最初に見つけた19種類のフラワーレメディを生み出した太陽法とは異なり、煮沸法(The Boiling method)と呼ばれるものとなりました。

チェリープラムの花
Cherry Plum



次の半年間で、彼は残る18種類のフラワーレメディを発見しました。

◎木の花と若葉のついた小枝
 ・エルム(西洋ニレ)※赤点を消す
 ・パイン(西洋アカマツ)
 ・ラーチ(西洋カラマツ)
 ・ウィロー(ヤナギ)
 ・アスペン(ポプラ)
 ・ホーンビーム(西洋シデ)
 ・スイートチェストナット(西洋クリ)
 ・ビーチ(西洋ブナ)
 ・クラブアップル(山リンゴ)
 ・ウォルナット(西洋クルミ)
 ・チェストナットバッド(西洋トチノキの新芽)
 ・レッドチェストナット(西洋トチノキの赤い花)
 ・ホワイトチェストナット(西洋トチノキの白い花)

◎灌木
 ・ホリー(西洋ヒイラギ)
 ・ハニーサックル(スイカズラ)
 ・ワイルドローズ(野生のバラ)

◎草
 ・スターオブベツレヘム(オオアマナ)
 ・マスタード(野生のカラシナ)
 
西洋トチノキだけは太陽法を使って相乗し、他のものには煮沸法を使いました。レメディの液体はよく冷ましてから濾過し、保存料となる等量のブランデーと一緒にボトルに詰めました

この年の8月に、バッチは一連のフラワーレメディの最後のものを相乗し終え、『12人の癒し手と7人の助け手』(The Twelve Healers and Seven Helpers)という小冊子の中に組み入れました。


エルム
Elm


 パイン
Pine


 ラーチ
Larch


 ウィロー
Willow


 アスペン
Aspen


 ホーンビーム
Hornbeam


 スイートチェストナット
Sweet Chestnut


 ビーチ
Beech


 クラブアップル
Crab Apple


 ウォルナット
Walnut


 チェストナットバッド
Chestnut Bud


 レッドチェストナット
Red Chestnut


 ホワイトチェストナット
White Chestnut


 ホリー
Holly


 ハニーサックル
Honeysuckle


 ワイルドローズ
Wild Rose


 スターオブベツレヘム
Star of Bethlehem


 マスタード
Mustard



Bach Flower Counsel
バッチフラワーカウンセル
英国バッチセンター